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最高裁判所判例集

事件番号

 平成9(オ)218

事件名

 遺言無効確認等

裁判年月日

 平成10年3月13日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第187号429頁

原審裁判所名

 仙台高等裁判所

原審事件番号

 平成7(ネ)243

原審裁判年月日

 平成8年10月7日

判示事項

 一 公正証書遺言において証人が遺言者の署名押印に立ち会うことの要否
二 遺言者の押印の際に二人の証人のうち一人の立会いなく作成された遺言公正証書につきその作成の方式に瑕疵があるがその効力を否定するほかはないとまではいえないとされた事例

裁判要旨

 一 公正証書遺言において、証人は、遺言者の署名押印に立ち会うことを要する。
二 公正証書遺言において、遺言者が、証人甲乙の立会いの下に、遺言の趣旨を口授しその筆記を読み聞かされた上で署名をしたところ、印章を所持していなかったため、約一時間後に、甲のみの立会いの下に、再度筆記を読み聞かされて押印を行ったが、乙は、その直後ころ、公証人から完成した遺言公正証書を示されて右押印の事実を確認したのであって、この間に遺言者が従前の考えを翻し、又は右遺言公正証書が遺言者の意思に反して完成されたなどの事情は全くうかがわれないなど判示の事実関係の下においては、右遺言公正証書の作成の方式には瑕疵があるというべきであるが、その効力を否定するほかはないとまではいえない。

参照法条

 民法969条,公証人法2条

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