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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和25(れ)637

事件名

 公文書偽造、業務上横領、横領、臨時物資需給調整法違反、銃砲等所持禁止令違反

裁判年月日

 昭和27年10月17日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集刑 第68号361頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和24年10月29日

判示事項

 一 横領罪の成立に必要な不法領得の意思を発現する行為の意義
二 銃砲等所持禁止令における所持許可申請期間内の申請を欠く刀劍所持の適否−後に保管を許可された場合

裁判要旨

 一 横領罪は自己の占有する他人の物を自己に領得する意思を外部に発現する行為があつたときに成立するものである。そしてその不法領得の意思を発現する行為は必ずしもその物の処方のような客観的な領得行為たることを要せず、単に領得の意思をもつて為した行為たるをもつて足るのである。
二 鉄砲等無許可所持の罪は銃砲等所持禁止令第一条の規定に違反し許可を受けずして鉄砲等を所持することによつて直ちに成立する罪であり(同令第二条)たとえ判示の刀劍につき後にその保管の許可された事実があつたとしても所定の期間内にその許可申請がなされたことが認められない以上その許可は犯罪の成否には関係がないものというべきである。

参照法条

 刑法252条,銃砲等所持禁止令1条1項,銃砲等所持禁止令附則2項

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