裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和27(あ)480
- 事件名
窃盗
- 裁判年月日
昭和27年5月27日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第64号743頁
- 原審裁判所名
広島高等裁判所 松江支部
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和26年12月24日
- 判示事項
被告人の証人審問権と、証人を裁判所外で尋問する場合に監獄に拘禁されている被告人を立ち会わせることの要否
- 裁判要旨
論旨第七点は証拠調の際に被告人を出頭させなかつたことを憲法違反と主張しているので、記録を調べてみると、原審は第一回公判で本件につき事実の取調をする旨を宣し、昭和二六年一〇月二七日裁判所外において証拠調をしたのであるが、所論のとおり被告人はこれに立会していない。しかし、当時、松江刑務所に在監中であつた被告人に対し予め一〇月一九日証拠調期日は通知されており、尚、被告人の弁護人も右証人尋問に立会い被告人のため証人に対し直接に尋問する機会が与えられているのである。ところで「裁判所が証人を裁判所外で尋問する場合に被告人が監獄に拘禁されているときのごときは、特別の事由なき限り、被告人弁護の任にある弁護人に尋問の日時場所等を通知して立会の機会を与え被告人の証人審問権を実質的に害しない措置を講ずるにおいては」被告人自身を証人尋問に立ち会わせなくても憲法三七条二項の規定に違反しないことは当裁判所の判例とするところであるから(昭和二四年(れ)一八七三号、同二五年三月一五日大法廷判決、昭和二四年(れ)三三六号、同二五年九月五日第三小法廷判決)、原審の前記措置は被告人の証人審問権を実質的に害しないものというべく、論旨は理由がない。
- 参照法条
憲法37条2項,刑訴法158条
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