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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和35(オ)234

事件名

 建物所有権移転登記等抹消請求

裁判年月日

 昭和37年10月5日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集民 第62号709頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和34年12月11日

判示事項

 抵当権設定登記の抹消登記手続請求を認容した判断に審理不尽、理由不備の違法があるとされた事例。

裁判要旨

 甲乙丙三棟の建物を所有する債務者が、未登記の甲建物の所有権保存登記をなすべく司法書士に委任したところ、甲建物を主たる建物、乙丙建物を付属建物と表示する登記がなされ、次いで、債権者の手により甲乙丙建物を目的物とする抵当権設定登記が経由されたのに対し、抵当権設定契約の不存在を理由として右抵当権設定登記の抹消登記手続を請求する場合、右請求を認容するにつき、債権者と債務者が甲建物に対する抵当権設定を合意した事実を認定しながら、乙丙建物が甲建物の従物であるかのごとく窺われる証拠ならびに民法八七条二項の適用につき顧慮した形跡がないときは、審理不尽、理由不備の違法があり、また、判示の趣旨が甲建物のみに対する抵当権の設定を合意し、乙丙建物は除外したというにあるとすれば、債務者において、前期請求に代え、乙丙建物を前期抵当権設定登記の目的物から取り除くことを目的とする別個の登記請求をするかどうかの点を審理することなく、前記請求をそのまま全面的に認容したことは、審理不尽、理由そごの違法がある。

参照法条

 民法177条,民法87条2項,民訴法395条6号

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