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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和43(オ)282

事件名

 建物所有権移転登記手続等請求

裁判年月日

 昭和45年1月23日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集民 第98号43頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和40(オ)2663

原審裁判年月日

 昭和42年11月27日

判示事項

 一、一筆の土地の一部の明渡を命ずる判決における主文不明確の事例
二、共同訴訟人間における証拠共通の原則
三、不動産の二重譲渡において双方の買主がそれぞれ売主に対して処分禁止の仮処分を執行した後第一次仮処分債権者が本案の勝訴判決に基づいて所有権移転登記を経由した場合と第二次仮処分債権者に対する所有権の対抗

裁判要旨

 一、一筆の土地の一部の明渡を命ずる判決において、土地の表示として土地の所在地番のほか「一、山林三反四畝歩のうち東部の宅地一三九坪」との記載があるにとどまり、記録中にも明渡を命ずる土地の範囲がいかなる部分かを特定する手掛りが存在しないときは、右土地の範囲を明確にしたものとはいえず、主文不明確の違法がある。
二、共同訴訟人の一人が提出した証拠は、その相手方に対するばかりでなく、他の共同訴訟人とその相手方に対する関係においても証拠として認定資料に供することができる。
三、不動産が二重に譲渡された後、双方の買主がそれぞれ売主を債務者とする処分禁止の仮処分を執行した場合において、第一次仮処分債権者たる買主が本案たる所有権移転登記請求訴訟に勝訴し、その確定判決に基づき売主から所有権移転登記を経由したときは、右買主は、第二次仮処分債権者たる買主に対し自己の所有権取得を対抗することができるものと解すべきである。

参照法条

 民訴法62条,民訴法185条,民訴法191条,民訴法755条,民訴法758条,民法177条

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