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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和25(れ)1918

事件名

 常習賭博

裁判年月日

 昭和26年3月15日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第41号871頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和25年7月19日

判示事項

 一 賭博常習者の意義
二 「カブ」と称する賭博と賭博方法の判示の程度

裁判要旨

 一 しかし賭博常習者というのは賭博を反覆累行する習癖を有する者の義であつて、必ずしも所論のような織業的賭博、いわゆる博賭打ち又は遊人或は定職があつても専ら勝負事に耽つて、半職業化したような特殊な存在をいうものでないことは当裁判所屡次の判例とするところであつて、今なおこれを変更する必要を認めない。
二 しかし、「カブ」と俗に称する賭博が偶然の事実によつて勝敗が決する博戯であることは顕著の事実であるばかりでなく、原判決は「第四被告人Aは……前示カブ………」と判示しているのであるから右判示は判示第一の一の被告人Bについての判示と同じく「被告人Aは………金銭を賭し、花札を使用してカブと称する賭銭博奕をした」旨を判示しているものに外ならないこと明白である。されば、右原判示はたとえ「カブ」と俗に称する博奕の方法内容を仔細に判示しなくとも花札の使用による偶然のゆえいに関し財物の得喪を争うものであることを判示したものと理解することができるから賭博の判示としていささかも欠くるところがないといわなくてはならぬ。

参照法条

 刑法186条1項,刑法185条,旧刑訴法360条1項

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