裁判例検索

裁判例結果詳細

最高裁判所判例集

事件番号

 昭和26(れ)1418

事件名

 傷害致死、傷害、業務上横領

裁判年月日

 昭和26年9月25日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第53号313頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和25年6月23日

判示事項

 一 傷害罪における傷害の意義と、中毒による全身倦怠、膝蓋健反射亢進
二 メチール入ドラム罐を売渡した行為により数人に対し夫々傷害致死、傷害の結果を生ぜしめた場合の罪数
三 証拠物を訊問した予審調書の採証と右証拠物の証拠調の要否

裁判要旨

 一 原判決がAに対する傷害として認定した中毒による全身倦怠、膝蓋健反射亢進は人の生活機能の障害を惹起したものであり、これ等は傷害罪にいわゆる傷害に当る。
二 原判決のメチール入ドラム罐をBに売渡したため右メチールアルコールが被告人不知の間に順次被害者に飲用された判示犯罪行為の態様から見て、傷害致死、傷害の各所為は所論の如く一所為数法の関係と見るのが相当である。
三 予審判事が証人に示した訊問した物件について証拠調がなされていなくても、その予審訊問調書について適法な証拠調がなされている以上同調書中の右物件を除いても独立性のある供述部分又は右物件に関係のない供述記載部分を証拠に採用することは違法でない。

参照法条

 刑法204条,刑法205条,刑法54条1項前段,旧刑訴法336条,旧刑訴法341条

全文