裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和27(あ)4889
- 事件名
賍物故買
- 裁判年月日
昭和29年6月19日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集刑 第96号335頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
昭和27年7月25日
- 判示事項
一 共同被告人の検察官に対する供述調書を最初に取り調べることは違法か
二 刑訴三〇五条の定める証拠書類に対する証拠調の方式と刑訴規則二〇三条の二との関係
- 裁判要旨
一 共同被告人の検察官に対する供述調書は、他の被告人との関係においては刑訴三〇一条の「犯罪事実に関する他の証拠」にあたり、これを最初に取り調べても違法であるとはいえない。即ち同条は他のすべての証拠を取り調べられた後という意味ではなく、自白を補強し得る証拠が取り調べられた後であれば足りるのである(昭和二七年(あ)第五一一六号同二九年三月二三日第三小法廷決定参照)。
二 第一審第一回公判調書に、検察官は右各書証の要旨を告げて被告人及び弁護人に示して裁判官に提出したと記載されているのは刑訴規則二〇三条の二の規定に従つて記載されたものと認められるが、右規則の規定は、所論のように法律の規定を規則で変更したものでなく、刑訴三〇五条の定める証拠書類に対する証拠調の方式を合目的に簡易化したにとどまるものと解されるから、違憲論は前提を欠き採るを得ない。
- 参照法条
刑訴法301条,刑訴法305条,刑訴規則203条の2
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