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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和28(あ)386

事件名

 業務上横領

裁判年月日

 昭和29年6月22日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第96号423頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和27年12月12日

判示事項

 一 窃盗と業務上横領との差異
二 不適切な判例を引用した一例

裁判要旨

 一 論旨第一点引用の判例は、郵便物を開披して在中の小為替証書を取出した事実を窃盗としたものであり、本件は郵便物そのものを全部領得したものであるから右判例は本件に適切でない。
二 論旨第二点及び第三点は、本件郵便物につき被告人の占有のほか郵便局長にも占有があることを前提として判例違反を主張するのであるが、原判決の是認した第一審判決は、被告人の占有を認定したのみで郵便局長の占有は認定していないのであるから、所論は判示にそわない事実を前提とする主張である。従つて所論の判例は本件の場合に適切でない。註。本件は業務上横領に問擬されている。

参照法条

 刑法235条,刑法253条,刑訴法第405条3号

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