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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和39(あ)125

事件名

 詐欺、収賄

裁判年月日

 昭和39年8月20日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第152号537頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和38年12月18日

判示事項

 収賄と詐欺の両訴因につき、事実の同一性が認められた事例。

裁判要旨

 一 本件収賄と詐欺の両訴因については、事実の同一性を有するものと認められる。
二 (収賄の訴因)被告人は、Aが神戸市土地区画整理事業の対象となつた同市a区bc丁目d番地の八所在同人所有の土地約四十一坪につき、神戸市に対し右所有地を換地用地として買収方を希望しており、同人により右買収価格の査定につき寛大有利な取扱いを受けたい趣旨のもとに供与されることの情を知りながら、昭和三十三年四月十一日頃同市a区ec丁目f番地喫茶店「B」において、現金五万円の供与を受け、自己の職務に関し収賄したものである。

三 (詐欺の訴因)被告人は、神戸市a区bc丁目に宅地四十坪余を所有しているAが同宅地を神戸市より高価に買収されることを希望しているのを奇貨として、その運動資金名義のもとに金員を騙取しようと企て、昭和三十三年四月十日頃同人に対し、自己は右買収価格査定に関する職務を担当しておらず、又その職務担当の係に対し斡旋運動などしてやる意思がないのにも拘らず、同宅地の買収に関する用務のため建設省に出張する上司に対する運動資金が必要につき明日午前十一時までに五万円出してくれと虚構の事実を申向け同人をしてその旨誤信させ、よつて、翌十一日頃同市a区ec丁目f番地喫茶店「B」において、同人から右土地の高価買収に関する運動資金名義のもとに現金五万円の交付を受けてこれを騙取したものである。

参照法条

 刑訴法256条,刑訴法312条,刑法246条1項,刑法197条1項

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