裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成7(オ)2461
- 事件名
建物等共有物分割
- 裁判年月日
平成9年4月25日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第183号365頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成7(ネ)1006
- 原審裁判年月日
平成7年8月30日
- 判示事項
いわゆる全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく競売による分割をすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例
- 裁判要旨
甲及び乙の共有に属する借地権とその地上建物の分割をする場合において、右借地権等が甲に遺贈され、乙がこれに対して遺留分減殺請求権を行使した結果、共有関係が発生したものである上、六分の一の持分を有するにすぎない乙が競売による分割を提案しているのに対し、六分の五の持分を有する甲は、今後も右建物に居住することを希望し、自らがこれを単独で取得するいわゆる全面的価格賠償の方法による分割を提案しているところ、右借地権の存続期間などの事情によっては、必ずしも右借地権等を甲に取得させるのが相当でないとはいえず、また、甲の支払能力次第では、右借地権等の適正な評価額に従って乙にその持分の対価を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないにもかかわらず、全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情の存否について審理判断することなく、直ちに競売による分割をすべきものとした原審の判断には、違法がある。
- 参照法条
民法258条,民法264条
- 全文