裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和58(オ)678
- 事件名
損害賠償
- 裁判年月日
昭和62年4月16日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集民 第150号685頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
昭和57(ネ)1225
- 原審裁判年月日
昭和58年3月30日
- 判示事項
一 取締役を辞任したが辞任登記未了である者と商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段にいう取締役としての責任の有無
二 取締役を辞任したが辞任登記未了である者が商法一四条の類推適用により同法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段にいう取締役としての責任を負う場合
- 裁判要旨
一 株式会社の取締役を辞任した者は、辞任したにもかかわらずなお積極的に取締役として対外的又は内部的な行為をあえてした場合を除いては、特段の事情がない限り、辞任登記が未了であることによりその者が取締役であると信じて当該株式会社と取引した第三者に対しても、商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段にいう取締役として所定の責任を負わないものというべきである。
二 株式会社の取締役を辞任した者は、登記申請権者である当該株式会社の代表者に対し、辞任登記を申請しないで不実の登記を残存させることにつき明示的に承諾を与えていたなどの特段の事情がある場合には、商法一四条の類推適用により、善意の第三者に対し、当該株式会社の取締役でないことをもつて対抗することができない結果、同法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段にいう取締役として所定の責任を免れることはできない。
- 参照法条
商法12条,商法14条,商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3第1項
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