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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和29(あ)2144

事件名

 窃盗

裁判年月日

 昭和35年9月13日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第135号289頁

原審裁判所名

 広島高等裁判所  岡山支部

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和29年5月27日

判示事項

 窃盗(浅蜊貝窃盗)罪の成立しない事例。

裁判要旨

 本件においては、原判決(註)は、A漁業組合が本件漁場内に米粒大の浅蜊貝稚貝を砂と共に移殖したけれども、その移殖箇所には標識や垣は設けず、またその移殖稚貝の個々の識別はもとよりその数量さえも特定することができず、加うるにもともと同所には天然に繁殖した浅蜊貝も生存し、これと移植貝との交配によつてさらに繁殖したものであり、従つて本件漁場内に存在する浅蜊貝については、これらの三者の識別は不可能に近い趣旨を認定判示しているのであるから、被告人が捕獲した本件浅蜊貝についても、その個々が前記移殖貝であるとの認定は到底不可能であるといわねばならない。
 註、原判決は高等裁判所刑事判決特報第三一号九〇頁に掲載されている。

参照法条

 刑法235条,漁業法(昭和24年法律267号)143条,旧漁業法(明治43年法律58号)60条

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