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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和35(あ)1591

事件名

 窃盗

裁判年月日

 昭和35年11月29日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第135号861頁

原審裁判所名

 高松高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和35年6月15日

判示事項

 憲法第三八条第二項にいう「不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白」にあたらないとされた事例。

裁判要旨

 夜間二回に亘り路上で他人の自転車二台を窃取したという事実につき、検挙以来、終始、右窃盗の事実を否認し、同自転車はいずれもその頃氏名不詳の者二人から買受けたものであると弁解していた被告人が、第一審で有罪の判決を受け控訴中、逮捕、勾留後約九ケ月を経た第二審第三回公判で初めて右窃盗の自白をした場合、それが同公判における弁護人の質問の際になされたものであるばかりでなく、右窃盗の一つについては、賍品が転々とした結果、関係人の数も多く、しかも被告人の否認には不自然なところがあつて、有罪の証拠は揃つており、被告人がただ保釈を受けたいとの一念から自白したものとは到底認められないときは、これをもつて憲法第三八条第二項にいう「不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白」であるということはできない。

参照法条

 憲法38条2項,刑訴法319条1項,刑法235条

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