裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和53(オ)1339
- 事件名
リース料及び損害賠償
- 裁判年月日
昭和56年4月9日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
集民 第132号531頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
昭和51(ネ)643
- 原審裁判年月日
昭和53年8月31日
- 判示事項
一 リース物件の売主がリース会社からの借主に対し性能不良を理由として賠償すべき額を算定するに当たり損益相殺すべき借主の利益の額につき判示した事例
二 リース物件の性能不良のため借主がリース会社に対する売主にその引取方を要求したのちに右リース物件が水害により使用不能となつた場合についてその損失を売主において負担すべきものとした事例
- 裁判要旨
一 リース会社に対し会計機を売却した者が、リース契約によりリース会社から右会計機を借り受けた者に対し、直接その性能を保証し、保証した性能を欠くときは借主の受ける損害を賠償する旨の損害担保契約を結んだ場合において、右会計機が保証された性能を欠くため借主の業務に適合せず、そのため借主が売主にその引取方を要求して使用を中止したなど原判示の事実関係があるときは、売主が借主に対して賠償すべきリース料相当の損害から損益相殺すべき借主の利益の額は、借主が右会計機の使用を中止するまでの間であつて、売主の協力を得て利用できた期間のリース料相当額によつて算出するのが相当である。
二 リース会社に対し会計機を売却した者が、リース契約によりリース会社から右会計機を借り受けた者に対し、直接その性能を保証し、保証した性能を欠くときは借主の受ける損害を賠償する旨の損害担保契約を結んだ場合において、右会計機が借主の手元で水害にあい使用不能となつても、右会計機が保証された性能を欠くため借主の業務に適合せず、そのため右の水害前すでに借主から売主にその引取方を要求していたなど原判示の事実関係のもとでは、右会計機の使用不能の事実は売主が借主に賠償すべき損害の算定に当たり考慮すべきでなく、右水害による損失は売主において負担すべきである。
- 参照法条
民法416条,民法540条,民法545条1項,民法548条,民法559条,民法566条,民法570条
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