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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和54(行ツ)35

事件名

 源泉徴収納付義務告知処分取消等

裁判年月日

 昭和58年12月6日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第140号589頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和52(行コ)2

原審裁判年月日

 昭和53年12月25日

判示事項

 所得税法三〇条一項にいう退職所得にあたるかどうかの認定判断につき法令の解釈適用の誤り及び審理不尽の違法があるとされた事例

裁判要旨

 従業員が満五五歳又は勤続満一〇年に達したときに定年となる旨の就業規則の定め及び退職金規程に基づき、勤続満一〇年に達したことを理由として退職金名義の金員の支給を受けた従業員の大部分が、その役職、給与、有給休暇の日数の算定等の労働条件に変化がないまま引き続き勤務しているなど判示のような事実関係があるときは、右就業規則の客観的な運用として従業員が勤続満一〇年に達したときは退職するのを原則的取扱いとしており、その後継続している勤務関係が単なる従前の勤務関係の延長ではなく新たな雇用契約に基づくものであるとの実質を有すること、又は右金員が定年延長若しくは退職年金制度の採用等の合理的な理由による退職金支給制度の実質的改変により精算の必要があつて支給されたものであること、若しくは継続している勤務関係がその性質内容、労働条件等において重大な変動を受け実質的には単なる従前の勤務関係の延長とはみられないこと等の特別の事実関係がないにもかかわらず、右金員を所得税法三〇条一項にいう退職所得にあたると認定判断することには、法令の解釈適用の誤り及び審理不尽の違法がある。

(反対意見がある。)

参照法条

 所得税法30条1項,民訴法394条

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