裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
昭和55(オ)195
- 事件名
売買代金等
- 裁判年月日
昭和58年10月6日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第140号59頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
昭和53(ネ)2272
- 原審裁判年月日
昭和54年11月27日
- 判示事項
防衛事務官が所管事務を装い売買名下に魚卵を騙取した行為が民法七一五条一項にいう「事業ノ執行ニ付キ」したものといえないとされた事例
- 裁判要旨
航空自衛隊補給統制処第三整備課計画班所属の防衛事務官が、所管事務を装つて売買名下に第三者から魚卵を騙取した場合において、同処、同課、同班の業務内容、物品購入状況等が判示のとおりであり、同事務官の職務権限が同部所管の文書に関する事務など判示のような事務の処理にとどまり、売買その他の契約締結の権限は与えられていないときには、同事務官が、右第三者を航空自衛隊市ケ谷基地内の「補給統制処」の看板が掲げられている建物内会議室に招き入れ、同人に「防衛事務官」の肩書を付した名刺を手交して、魚卵の買受の折衝をしたなど判示の事情があつても、他に同事務官の本来の職務内容と関連性をもち同事務官の職務行為の範囲に属すると認めるに足りる特段の事情がない限り、同事務官の魚卵騙取行為をもつて民法七一五条一項にいう「事業ノ執行ニ付キ」したものということはできない。
- 参照法条
民法715条
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