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最高裁判所判例集

事件番号

 平成7(オ)839

事件名

 損害賠償、建物明渡等

裁判年月日

 平成8年5月28日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集民 第179号71頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成6(ネ)2191

原審裁判年月日

 平成6年11月22日

判示事項

 売買契約の目的物に対する仮差押命令の申立てが違法である場合において売主が違約金支払による損害を被ることを債権者において予見することができたとされた事例

裁判要旨

 建物について代金一億円の売買契約が締結された後、違法な申立てにより、売主を債務者として右建物に対する仮差押命令が発せられて仮差押えの登記がされたため、売主が右契約の履行をすることができなくなり買主に違約金を支払ったことにより一〇〇〇万円相当の損害を被った場合には、債権者が、右申立ての時点において、売主が右建物を競売により代金四五二一万円で買い受けたことを知っており、売主が転売の意思を有すること及び売主が転売により少なくとも一三五〇万円の利益を得ることを知ることができたなど判示の事実関係の下においては、債権者は、右仮差押、えにより売主が売買契約を履行できずに一〇〇〇万円程度の違約金を負担せざるを得なくなることをも知ることができたというべきである。

参照法条

 民法416条,民法709条

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