裁判例検索

裁判例結果詳細

最高裁判所判例集

事件番号

 平成21(行ヒ)211

事件名

 損害賠償履行請求事件

裁判年月日

 平成22年3月30日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 集民 第233号391頁

原審裁判所名

 札幌高等裁判所

原審事件番号

 平成20(行コ)13

原審裁判年月日

 平成21年2月20日

判示事項

 政令指定都市である市の議会における定例会等の会議に出席した議員に対し費用弁償として日額1万円を支給する旨の当該市の条例の定めが,地方自治法(平成20年法律第69号による改正前のもの)203条が普通地方公共団体の議会に与えた裁量権の範囲を超え又はそれを濫用したものとして違法,無効であるとはいえないとされた事例

裁判要旨

 政令指定都市である市の議会における定例会等の会議に出席した議員に対し費用弁償として日額1万円を支給する旨の当該市の条例の定めは,上記会議がいずれも地方自治法に定められたもので議員の重要な活動の場であり,そこへの出席に伴い常勤の公務員にはない諸雑費や交通費の支出を要する場合があり得るところであって,上記議会が,上記条例が定めるのと同程度の定額で費用弁償を支給する他の政令指定都市における取扱いとの均衡をも考慮しつつ,上記費用弁償の額を定めていたなど判示の事情の下においては,地方自治法(平成20年法律第69号による改正前のもの)203条が普通地方公共団体の議会に与えた裁量権の範囲を超え又はそれを濫用したものとして違法,無効であるとはいえない。
(補足意見がある。)

参照法条

 地方自治法(平成20年法律第69号による改正前のもの)203条3項,地方自治法(平成20年法律第69号による改正前のもの)203条5項,地方自治法242条の2第1項4号,札幌市議会議員の報酬,費用弁償及び期末手当に関する条例(昭和26年札幌市条例第30号。平成19年札幌市条例第33号による改正前のもの)2条,費用弁償及び期末手当に関する条例(昭和26年札幌市条例第30号。平成19年札幌市条例第33号による改正前のもの)附則11項

全文