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最高裁判所判例集

事件番号

 平成21(オ)1727

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成22年5月25日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 集民 第234号99頁

原審裁判所名

 仙台高等裁判所

原審事件番号

 平成21(ネ)54

原審裁判年月日

 平成21年7月30日

判示事項

 1 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において,当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たるか
2 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員に対して会社がした普通解雇が,当該従業員に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例

裁判要旨

 1 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において,当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たらない。
2 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員が,その勤務態度は他の従業員や取引先から会社に対し苦情が寄せられるほどであり,これはその飲酒癖に起因するものであったのに,代表取締役社長から注意されても飲酒を控えることがなく,取引先の担当者と打合せをする予定のある日に欠勤した上,その日の夜に同社長と電話で話をした際,酒に酔った状態で「(自分を)辞めさせたらどうですか。」と述べたなど判示の事実関係の下では,当該従業員に対して会社がした普通解雇は,懲戒処分などの解雇以外の方法を採ることなくされたとしても,当該従業員に対する不法行為を構成するものということはできない。

参照法条

 (1につき)民訴法23条1項6号,労働審判法20条1項,労働審判法22条(2につき)民法709条,労働基準法(平成19年法律第128号による改正前のもの)18条の2,労働契約法16条

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