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最高裁判所判例集

事件番号

 平成21(受)1932

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成22年10月15日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第235号65頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成21(ネ)718

原審裁判年月日

 平成21年7月29日

判示事項

 1 被害者が,不法行為によって傷害を受け,その後に後遺障害が残った場合において,労働者災害補償保険法に基づく保険給付を受けたときに,この社会保険給付との間で損益相殺的な調整を行うべき損害
2 被害者が,不法行為によって傷害を受け,その後に後遺障害が残った場合において,労働者災害補償保険法に基づく保険給付の支給がされ,又は支給されることが確定したときに,損益相殺的な調整に当たって,損害がてん補されたと評価すべき時期

裁判要旨

 1 被害者が,不法行為によって傷害を受け,その後に後遺障害が残った場合において,労働者災害補償保険法に基づく保険給付を受けたときは,この社会保険給付については,これによるてん補の対象となる特定の損害と同性質であり,かつ,相互補完性を有する損害の元本との間で,損益相殺的な調整を行うべきである。
2 被害者が,不法行為によって傷害を受け,その後に後遺障害が残った場合において,労働者災害補償保険法に基づく保険給付の支給がされ,又は支給されることが確定したときには,制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,てん補の対象となる損害は,不法行為の時にてん補されたものと法的に評価して損益相殺的な調整を行うべきである。
(1,2につき補足意見がある。)

参照法条

 (1,2につき)民法709条,労働者災害補償保険法22条の2,労働者災害補償保険法22条の3 (2につき)民法412条

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