裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成21(行ヒ)226
- 事件名
不当労働行為救済命令取消請求事件
- 裁判年月日
平成23年4月12日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
民集 第65巻3号943頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成20(行コ)303
- 原審裁判年月日
平成21年3月25日
- 判示事項
年間を通して多数のオペラ公演を主催する財団法人との間で期間を1年とする出演基本契約を締結した上,各公演ごとに個別公演出演契約を締結して公演に出演していた合唱団員が,上記法人との関係において労働組合法上の労働者に当たるとされた事例
- 裁判要旨
年間を通して多数のオペラ公演を主催する財団法人との間で期間を1年とする出演基本契約を締結した上,各公演ごとに個別公演出演契約を締結して公演に出演していた合唱団員は,次の(1)〜(5)など判示の事実関係の下では,上記法人との関係において労働組合法上の労働者に当たる。
(1) 出演基本契約は,上記法人が,試聴会の審査の結果一定水準以上の歌唱技能を有すると認めた者を,原則として契約期間の全ての公演に出演することが可能である合唱団員として確保することにより,上記各公演を円滑かつ確実に遂行することを目的として締結されていた。
(2) 合唱団員は,出演基本契約を締結する際,上記法人から,あらかじめ上記法人が指定する全ての公演に出演するために可能な限りの調整をすることを要望され,合唱団員が公演への出演を辞退した例は,出産,育児や他の公演への出演等を理由とする僅少なものにとどまっていた。
(3) 出演基本契約の内容や,契約期間の公演の件数,演目,各公演の日程及び上演回数,これに要する稽古の日程,その演目の合唱団の構成等は,上記法人が一方的に決定していた。
(4) 合唱団員は,各公演及びその稽古につき,上記法人の指定する日時,場所において,その指定する演目に応じて歌唱の労務を提供し,歌唱技能の提供の方法や提供すべき歌唱の内容について上記法人の選定する合唱指揮者等の指揮を受け,稽古への参加状況について上記法人の監督を受けていた。
(5) 合唱団員は,上記法人の指示に従って公演及び稽古に参加し歌唱の労務を提供した場合に,出演基本契約で定められた単価及び計算方法に基づいて算定された報酬の支払を受け,予定された時間を超えて稽古に参加した場合には超過時間により区分された超過稽古手当の支払を受けていた。
- 参照法条
労働組合法3条,労働組合法7条
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