裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成21(行ヒ)235
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成24年4月20日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
集民 第240号185頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成20(行コ)136
- 原審裁判年月日
平成21年3月26日
- 判示事項
1 普通地方公共団体がその議会の議決により債権の放棄をする場合におけるその長による放棄の意思表示の要否
2 住民訴訟の係属中にされたその請求に係る市の損害賠償請求権を放棄する旨の市議会の議決が適法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例
- 裁判要旨
1 普通地方公共団体がその議会の議決により債権を放棄する場合には,条例による場合を除き,放棄の効力が生ずるにはその長による執行行為としての放棄の意思表示を要する。
2 市の非常勤職員への退職慰労金の支給が違法であるとして提起された住民訴訟の係属中に,その請求に係る市長及び担当職員に対する市の損害賠償請求権を放棄する旨の市議会の議決がされた場合において,放棄に係る裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無を判断するに当たって考慮されるべき諸般の事情のうち,当該議決の存在について認定判断するのみで,上記支給に係る違法事由の有無及び性格や市長及び担当職員の故意又は過失等の帰責性の有無及び程度を始め,上記支給の性質,内容,原因,経緯及び影響,当該議決の趣旨及び経緯,当該請求権の放棄又は行使の影響,上記住民訴訟の経緯,事後の状況などの事情について審理することなく,直ちに当該議決が適法であるとした原審の判断には,違法がある。
(2につき補足意見がある。)
- 参照法条
(1,2につき)地方自治法96条1項10号,地方自治法242条の2第1項4号 (1につき)地方自治法149条6号
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