裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成24(受)2280
- 事件名
建物明渡等請求事件
- 裁判年月日
平成25年4月9日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
集民 第243号291頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
平成24(ネ)1041
- 原審裁判年月日
平成24年6月28日
- 判示事項
建物の地下1階部分を賃借して店舗を営む者が建物の所有者の承諾の下に1階部分の外壁等に看板等を設置していた場合において,建物の譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることが権利の濫用に当たるとされた事例
- 裁判要旨
繁華街に位置する建物の地下1階部分を賃借して店舗を営む者が建物の所有者の承諾の下に1階部分の外壁等に看板等を設置していた場合において,建物の譲受人が賃借人に対して当該看板等の撤去を求めることは,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。
(1) 上記看板等は,上記店舗の営業の用に供されており,建物の地下1階部分と社会通念上一体のものとして利用されてきた。
(2) 賃借人において上記看板等を撤去せざるを得ないこととなると,建物周辺の通行人らに対し建物の地下1階部分で上記店舗を営業していることを示す手段はほぼ失われ,その営業の継続は著しく困難となる。
(3) 上記看板等の設置が建物の所有者の承諾を得たものであることは,譲受人において十分知り得たものである。
(4) 譲受人に上記看板等の設置箇所の利用について特に具体的な目的があることも,上記看板等が存在することにより譲受人の建物の所有に具体的な支障が生じていることもうかがわれない。
- 参照法条
民法1条3項,借地借家法31条1項
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