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最高裁判所判例集

事件番号

 平成24(あ)167

事件名

 覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件

裁判年月日

 平成25年4月16日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第67巻4号549頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成23(う)1220

原審裁判年月日

 平成23年12月8日

判示事項

 覚せい剤を密輸入した事件について,被告人の故意を認めながら共謀を認めずに無罪とした第1審判決には事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用の誤りはないとされた事例

裁判要旨

 覚せい剤を密輸入した事件について,被告人の故意を認めながら共謀を認めずに無罪とした第1審判決には事実誤認があるとした原判決は,被告人が,犯罪組織関係者から日本に入国して輸入貨物を受け取ることを依頼され,その中に覚せい剤が隠匿されている可能性を認識しながらこれを引き受けたという本件事実関係の下では,特段の事情がない限り,覚せい剤輸入の故意だけでなく共謀をも認定するのが相当である旨を具体的に述べた上,本件では,特段の事情がなく,むしろ共謀を裏付ける事情があるとしており,第1審判決の事実認定が経験則に照らして不合理であることを具体的に示したものということができ,刑訴法382条の解釈適用の誤りはない。
(補足意見がある。)

参照法条

 刑訴法382条,刑訴法397条1項

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