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最高裁判所判例集

事件番号

 平成26(受)771

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成26年10月9日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第68巻8号799頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成24(ネ)1796

原審裁判年月日

 平成25年12月25日

判示事項

 労働大臣が石綿製品の製造等を行う工場又は作業場における石綿関連疾患の発生防止のために労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)に基づく省令制定権限を行使しなかったことが国家賠償法1条1項の適用上違法であるとされた事例

裁判要旨

 石綿製品の製造等を行う工場又は作業場の労働者が石綿の粉じんにばく露したことにより石綿肺等の石綿関連疾患にり患した場合において,昭和33年当時,(1)石綿肺に関する医学的知見が確立し,国も石綿の粉じんによる被害の深刻さを認識していたこと,(2)上記の工場等における石綿の粉じん防止策として最も有効な局所排気装置の設置を義務付けるために必要な技術的知見が存在していたこと,(3)従前からの行政指導によっても局所排気装置の設置が進んでいなかったことなど判示の事情の下では,石綿に関する作業につき局所排気装置の設置の促進を指示する通達が発出された同年5月26日以降,労働大臣が労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)に基づく省令制定権限を行使して罰則をもって上記の工場等に局所排気装置を設置することを義務付けなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法である。

参照法条

 国家賠償法1条1項,労働基準法1条,労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)42条,労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)43条,労働基準法(昭和47年法律第57号による改正前のもの)45条,労働安全衛生法22条,労働安全衛生法23条,労働安全衛生法27条

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