裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成24(受)1948
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成27年4月9日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
民集 第69巻3号455頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成23(ネ)2294
- 原審裁判年月日
平成24年6月7日
- 判示事項
責任を弁識する能力のない未成年者が,サッカーボールを蹴って他人に損害を加えた場合において,その親権者が民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかったとされた事例
- 裁判要旨
責任を弁識する能力のない未成年者の蹴ったサッカーボールが校庭から道路に転がり出て,これを避けようとした自動二輪車の運転者が転倒して負傷し,その後死亡した場合において,次の(1)~(3)など判示の事情の下では,当該未成年者の親権者は,民法714条1項の監督義務者としての義務を怠らなかったというべきである。
(1) 上記未成年者は,放課後,児童らのために開放されていた小学校の校庭において,使用可能な状態で設置されていたサッカーゴールに向けてフリーキックの練習をしていたのであり,殊更に道路に向けてボールを蹴ったなどの事情もうかがわれない。
(2) 上記サッカーゴールに向けてボールを蹴ったとしても,ボールが道路上に出ることが常態であったものとはみられない。
(3) 上記未成年者の親権者である父母は,危険な行為に及ばないよう日頃から通常のしつけをしており,上記未成年者の本件における行為について具体的に予見可能であったなどの特別の事情があったこともうかがわれない。
- 参照法条
民法709条,民法712条,民法714条
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