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最高裁判所判例集

事件番号

 平成27(あ)703

事件名

 傷害,傷害致死被告事件

裁判年月日

 平成28年3月24日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第70巻3号1頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

 平成26(う)366

原審裁判年月日

 平成27年4月16日

判示事項

 1 同時傷害の特例を定めた刑法207条の法意
2 共犯関係にない二人以上の暴行による傷害致死の事案においていずれかの暴行と死亡との間の因果関係が肯定された場合と刑法207条の適用の可否

裁判要旨

 1 同時傷害の特例を定めた刑法207条は,共犯関係にない二人以上が暴行を加えた事案において,検察官が,各暴行が当該傷害を生じさせ得る危険性を有するものであること及び各暴行が外形的には共同実行に等しいと評価できるような状況において行われたこと,すなわち同一の機会に行われたものであることの証明をした場合,各行為者において,自己の関与した暴行が傷害を生じさせていないことを立証しない限り,傷害についての責任を免れないとしたものである。
2 共犯関係にない二人以上の暴行による傷害致死の事案において,刑法207条適用の前提となる事実関係が証明された場合には,いずれかの暴行と死亡との間の因果関係が肯定されるときであっても,各行為者について同条の適用は妨げられない。

参照法条

 (1,2につき)刑法207条

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