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最高裁判所判例集

事件番号

 平成28(許)4

事件名

 株式取得価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件

裁判年月日

 平成28年7月1日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 民集 第70巻6号1445頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成27(ラ)663

原審裁判年月日

 平成27年10月14日

判示事項

 株式会社の株式の相当数を保有する株主が当該株式会社の株式等の公開買付けを行い,その後に当該株式会社の株式を全部取得条項付種類株式とし,当該株式会社が同株式の全部を取得する取引において,上記公開買付けが一般に公正と認められる手続により行われた場合における会社法(平成26年法律第90号による改正前のもの)172条1項にいう「取得の価格」

裁判要旨

 株式会社の株式の相当数を保有する株主が当該株式会社の株式等の公開買付けを行い,その後に当該株式会社の株式を全部取得条項付種類株式とし,当該株式会社が同株式の全部を取得する取引において,独立した第三者委員会や専門家の意見を聴くなど当該株主又は当該株式会社と少数株主との間の利益相反関係の存在により意思決定過程が恣意的になることを排除するための措置が講じられ,公開買付けに応募しなかった株主の保有する上記株式も公開買付けに係る買付け等の価格と同額で取得する旨が明示されているなど一般に公正と認められる手続により上記公開買付けが行われ,その後に当該株式会社が上記買付け等の価格と同額で全部取得条項付種類株式を取得した場合には,上記取引の基礎となった事情に予期しない変動が生じたと認めるに足りる特段の事情がない限り,裁判所は,上記株式の取得価格を上記公開買付けにおける買付け等の価格と同額とするのが相当である。
(補足意見がある。)

参照法条

 会社法(平成26年法律第90号による改正前のもの)172条1項

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