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最高裁判所判例集

事件番号

 平成26(あ)1197

事件名

 電磁的公正証書原本不実記録,同供用被告事件

裁判年月日

 平成28年12月5日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

 刑集 第70巻8号749頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成25(う)1962

原審裁判年月日

 平成26年6月19日

判示事項

 土地につき所有権移転登記等の申請をして当該登記等をさせた行為が電磁的公正証書原本不実記録罪に該当しないとされた事例

裁判要旨

 被告人が暴力団員との間で当該暴力団員に土地の所有権を取得させる旨の合意をし,被告人が代表者を務める会社名義で当該土地を売主から買い受けた場合において,当該土地につき売買契約を登記原因とする所有権移転登記等を当該会社名義で申請して当該登記等をさせた行為について,売買契約の締結に際し当該暴力団員のためにする旨の顕名が一切なく,当該売主が買主は当該会社であると認識していたなどの本件事実関係(判文参照)の下では,当該登記等は当該土地に係る民事実体法上の物権変動の過程を忠実に反映したものであり,これに係る申請が電磁的公正証書原本不実記録罪にいう「虚偽の申立て」であるとはいえず,また,当該登記等が同罪にいう「不実の記録」であるともいえない。

参照法条

 刑法157条1項,刑法158条1項

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