裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成28(あ)307
- 事件名
殺人,器物損壊被告事件
- 裁判年月日
平成29年4月26日
- 法廷名
最高裁判所第二小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
棄却
- 判例集等巻・号・頁
刑集 第71巻4号275頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成27(う)1120
- 原審裁判年月日
平成28年2月10日
- 判示事項
侵害を予期した上で対抗行為に及んだ場合における刑法36条の急迫性の判断方法
- 裁判要旨
行為者が侵害を予期した上で対抗行為に及んだ場合,侵害の急迫性の要件については,対抗行為に先行する事情を含めた行為全般の状況に照らして検討すべきであり,事案に応じ,行為者と相手方との従前の関係,予期された侵害の内容,侵害の予期の程度,侵害回避の容易性,侵害場所に出向く必要性,侵害場所にとどまる相当性,対抗行為の準備の状況(特に,凶器の準備の有無や準備した凶器の性状等),実際の侵害行為の内容と予期された侵害との異同,行為者が侵害に臨んだ状況及びその際の意思内容等を考慮し,緊急状況の下で公的機関による法的保護を求めることが期待できないときに私人による対抗行為を許容した刑法36条の趣旨に照らし許容されるものとはいえない場合には,侵害の急迫性の要件を充たさないものというべきである。
- 参照法条
刑法36条
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