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最高裁判所判例集

事件番号

 平成26(オ)1130

事件名

 受信契約締結承諾等請求事件

裁判年月日

 平成29年12月6日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第71巻10号1817頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 平成25(ネ)6245

原審裁判年月日

 平成26年4月23日

判示事項

 1 放送法64条1項の意義
2 放送法64条1項の合憲性
3 日本放送協会の放送の受信についての契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合に発生する受信料債権の範囲
4 日本放送協会の放送の受信についての契約に基づき発生する,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権の消滅時効の起算点

裁判要旨

 1 放送法64条1項は,日本放送協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に対しその放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,日本放送協会からの上記契約の申込みに対して上記の者が承諾をしない場合には,日本放送協会がその者に対して承諾の意思表示を命ずる判決を求め,その判決の確定によって上記契約が成立する。
2 放送法64条1項は,同法に定められた日本放送協会の目的にかなう適正・公平な受信料徴収のために必要な内容の,日本放送協会の放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めたものとして,憲法13条,21条,29条に違反しない。
3 日本放送協会の放送の受信についての契約を締結した者は受信設備の設置の月から定められた受信料を支払わなければならない旨の条項を含む上記契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合,同契約に基づき,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生する。
4 日本放送協会の放送の受信についての契約に基づき発生する,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権(上記契約成立後に履行期が到来するものを除く。)の消滅時効は,上記契約成立時から進行する。
(1につき補足意見,1,2につき補足意見,1,3につき補足意見,1~4につき反対意見がある。)

参照法条

 (1~4につき) 放送法1条,放送法第3章 日本放送協会,放送法64条1項
(1,3につき) 民法414条2項ただし書,民事執行法174条1項本文
(2につき) 憲法13条,憲法21条,憲法29条
(4につき) 民法166条1項

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