裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成30(分)1
- 事件名
裁判官に対する懲戒申立て事件
- 裁判年月日
平成30年10月17日
- 法廷名
最高裁判所大法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
民集 第72巻5号890頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 原審裁判年月日
- 判示事項
1 裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」の意義
2 裁判官がインターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワーク上で投稿をした行為が裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たるとされた事例
- 裁判要旨
1 裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」とは,職務上の行為であると,純然たる私的行為であるとを問わず,およそ裁判官に対する国民の信頼を損ね,又は裁判の公正を疑わせるような言動をいう。
2 裁判官がインターネットを利用して短文の投稿をすることができる情報ネットワーク上で投稿をした行為は,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たる。
(1) 当該投稿は,これをした者が裁判官の職にあることが広く知られている状況の下で行われた。
(2) 当該投稿は,判決が確定した当該裁判官の担当外の民事訴訟事件に関し,その内容を十分に検討した形跡を示さず,表面的な情報のみを掲げて,私人である当該訴訟の原告が訴えを提起したことが不当であるとする一方的な評価を不特定多数の閲覧者に公然と伝えるものであった。
(3) 当該投稿は,上記原告が訴訟を提起したことを揶揄するものともとれるその表現振りとあいまって,同人の感情を傷つけるものであった。
(2につき補足意見がある。)
- 参照法条
(1,2につき)裁判所法49条
(2につき)裁判官分限法2条
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