裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成31(受)61
- 事件名
請負代金請求事件
- 裁判年月日
令和2年9月8日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
民集 第74巻6号1643頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
平成30(ネ)92
- 原審裁判年月日
平成30年9月21日
- 判示事項
請負人である破産者の支払の停止の前に締結された請負契約に基づく注文者の破産者に対する違約金債権の取得が,破産法72条2項2号にいう「前に生じた原因」に基づく場合に当たり,上記違約金債権を自働債権とする相殺が許されるとされた事例
- 裁判要旨
請負人である破産者Aが,その支払の停止の前に,注文者Yとの間で複数の請負契約を締結していた場合において,上記の各請負契約に,Aの責めに帰すべき事由により工期内に工事が完成しないときはYが当該請負契約を解除することができるとの約定及び同約定により当該請負契約が解除されたときはYが一定額の違約金債権を取得するとの約定があるという事実関係の下では,YがAの支払の停止を知った後に上記の各約定に基づき上記各請負契約のうち工事が未完成であるものを解除して各違約金債権を取得したことは,破産法72条2項2号にいう「支払の停止があったことを破産者に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たり,上記各違約金債権を自働債権,上記各請負契約のうち報酬が未払のものに基づく各報酬債権を受働債権とする相殺は,自働債権と受働債権とが同一の請負契約に基づくものであるか否かにかかわらず,許される。
- 参照法条
破産法72条1項3号,破産法72条2項2号
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