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最高裁判所判例集

事件番号

 令和1(行ツ)222

事件名

 固定資産税等課税免除措置取消(住民訴訟)請求事件

裁判年月日

 令和3年2月24日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

原審裁判所名

 福岡高等裁判所  那覇支部

原審事件番号

 平成30(行コ)5

原審裁判年月日

 平成31年4月18日

判示事項

 市長が市の管理する都市公園内に孔子等を祀った施設を所有する一般社団法人に対して同施設の敷地の使用料の全額を免除した行為が憲法20条3項に違反するとされた事例

裁判要旨

 市長が市の管理する都市公園内の国公有地上に孔子等を祀った施設を所有する一般社団法人に対して上記施設の敷地の使用料の全額を免除した行為は,次の(1)~(5)など判示の事情の下では,上記施設の観光資源等としての意義や歴史的価値を考慮しても,一般人の目から見て,市が上記法人の上記施設における活動に係る特定の宗教に対して特別の便益を提供し,これを援助していると評価されてもやむを得ないものであって,憲法20条3項に違反する。
(1) 上記施設は,上記都市公園の他の部分から仕切られた区域内に一体として設置され,上記施設の本殿と位置付けられている建物は,その内部の正面には孔子の像及び神位(神霊を据える所)が配置され,家族繁栄,学業成就,試験合格等を祈願する多くの人々による参拝を受けているほか,上記建物の香炉灰が封入された「学業成就(祈願)カード」が上記施設で販売されていたこともあった。
(2) 上記施設で行われる儀式は,孔子の霊の存在を前提として,これを崇め奉るという宗教的意義を有するものであり,上記施設の建物等は,上記儀式を実施するという目的に従って配置されたものである。
(3) 市が策定した上記都市公園周辺の土地利用計画案においては,同計画案の策定業務に係る委員会等で孔子等を祀る廟の宗教性を問題視する意見があったこと等を踏まえて,前記(1)の建物を建設する予定の敷地につき上記法人の所有する土地との換地をするなどして,同建物を私有地内に配置することが考えられる旨の整理がされていた。
(4) 上記法人に対する上記施設の設置許可に係る占用面積は1335㎡であり,免除の対象となる敷地の使用料に相当する額は年間で576万7200円であり,また,上記設置許可の期間は3年であるが,公園の管理上支障がない限り更新が予定されている。
(5) 上記法人は,上記施設の公開や前記(2)の儀式の挙行を定款上の目的又は事業として掲げている。
(反対意見がある。)

参照法条

 憲法20条3項

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