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最高裁判所判例集

事件番号

 令和3(受)987

事件名

 消費者契約法12条に基づく差止等請求事件

裁判年月日

 令和4年12月12日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 民集 第76巻7号1696頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 令和1(ネ)1753

原審裁判年月日

 令和3年3月5日

判示事項

 1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払があるときに連帯保証人が無催告にて賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性
2 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料等の不払等の事情が存するときに連帯保証人が賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項の消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項該当性

裁判要旨

 1 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料債務等の連帯保証人は、賃借人が支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料3か月分以上に達したときは、無催告にて賃貸人と賃借人との間の賃貸借契約を解除することができる旨を定める条項は、消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項に当たる。
2 賃貸住宅に係る賃料債務等の保証委託及び連帯保証に関する契約書中の、賃料債務等の連帯保証人は、賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り、連帯保証人が合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から当該賃貸住宅を相当期間利用していないものと認められ、かつ当該賃貸住宅を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときは、賃借人が明示的に異議を述べない限り、これをもって当該賃貸住宅の明渡しがあったものとみなすことができる旨を定める条項は、消費者契約法10条に規定する消費者契約の条項に当たる。

参照法条

 (1、2につき)消費者契約法10条、消費者契約法12条3項、民法91条、民法第3編第2章第7節 賃貸借
(1につき)民法541条、民法542条1項

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