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最高裁判所判例集

事件番号

 令和4(受)1041

事件名

 共通義務確認請求事件

裁判年月日

 令和6年3月12日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄自判

判例集等巻・号・頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 令和3(ネ)2677

原審裁判年月日

 令和3年12月22日

判示事項

 消費者裁判手続特例法2条4号所定の共通義務確認の訴えについて同法3条4項にいう「簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるとき」に該当するとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨

 特定適格消費者団体であるXが、Yらが相当多数の消費者に対して虚偽又は実際とは著しくかけ離れた誇大な効果を強調した説明をして商品を販売するなどしたことが不法行為に該当すると主張して、Yらに対し、Yらが上記消費者に対して売買代金相当額等の損害賠償義務を負うべきことの確認を求めて消費者裁判手続特例法2条4号所定の共通義務確認の訴えを提起した場合において、次の(1)~(3)など判示の事情の下では、過失相殺及び因果関係に関する審理判断を理由として、上記訴えについて、同法3条4項にいう「簡易確定手続において対象債権の存否及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるとき」に該当するとした原審の判断には、同項の解釈適用を誤った違法がある。
(1) Xが主張するYらの不法行為の内容は、Yらが上記消費者に対して仮想通貨に関し誰でも確実に稼ぐことができる簡単な方法があるなどとして、上記商品につき上記説明をしてこれらを販売するなどしたというものであり、Yらの説明は、上記商品の購入を勧誘するためのウェブサイトに掲載された文言や動画によって行われた。
(2) 上記商品は、投資対象である仮想通貨の内容等を解説し、又は取引のためのシステム等を提供するものにすぎず、仮想通貨への投資そのものではない。
(3) 上記消費者につき、過失相殺をするかどうか及び仮に過失相殺をするとした場合のその過失の割合が争われたときには、簡易確定手続を行うこととなる裁判所において、適切な審理運営上の工夫を講ずることが考えられる。
(補足意見がある。)

参照法条

 消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(消費者裁判手続特例法)2条4号、消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(消費者裁判手続特例法)2条7号、消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(消費者裁判手続特例法)3条4項

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