裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
令和6(行フ)1
- 事件名
仮の差止めの申立て一部認容決定に対する抗告審の一部取消決定に対する許可抗告事件
- 裁判年月日
令和7年2月26日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
決定
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
- 原審裁判所名
東京高等裁判所
- 原審事件番号
令和5(行ス)13
- 原審裁判年月日
令和6年4月16日
- 判示事項
地方運輸局長がした特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法16条1項に基づく一般乗用旅客自動車運送事業に係る旅客の運賃の範囲の変更が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであると一応認められるとした原審の判断に違法があるとされた事例
- 裁判要旨
地方運輸局長が、特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法16条1項に基づき、同法3条の2第1項に基づき準特定地域に指定された地域における一般乗用旅客自動車運送事業に係る旅客の運賃の範囲を変更した場合において、概要、下記の設定方法により変更後の上記運賃の範囲を定めたなど判示の事情の下では、その下限の設定につき、上記変更の程度及び上記変更による一般乗用旅客自動車運送事業者への影響の程度を考慮していないことを理由として、上記変更が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであると一応認められるとした原審の判断には、上記運賃の範囲の変更に係る裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。
記
上記運賃の範囲の上限は、当該地域に営業所を有する一般乗用旅客自動車運送事業者のうち、小規模事業者、事故を多発している事業者、実働率の低い事業者等を除外して選定した能率的な経営を行う標準的な事業者の中から、所定の基準に従い抽出した事業者の一般乗用旅客自動車運送事業に係る費用及び適正な利潤を算出し、これと上記事業に係る運送収入が相償う運賃水準とする。
上記運賃の範囲の下限は、基本的には上記と同様の方法により算定するが、上記事業に係る費用の算出に当たり、燃料油脂費、車両償却費、役員報酬等の特定の費用項目については、上記各事業者が要した費用のうち、最も低い水準のものを用いる。
(反対意見がある。)
- 参照法条
特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法3条の2第1項、特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法16条1項、特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法16条の4第1項ないし第3項、特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法(令和5年法律第18号による改正前のもの)16条2項
- 全文