裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
令和5(行ツ)261
- 事件名
久米至聖廟撤去を怠る事実の違法確認等請求事件
- 裁判年月日
令和7年3月17日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
その他
- 判例集等巻・号・頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所 那覇支部
- 原審事件番号
令和4(行コ)5
- 原審裁判年月日
令和5年4月13日
- 判示事項
市長が市の管理する都市公園内に孔子等を祀る施設を設置することを一般社団法人に許可し、これに基づき市が上記公園内の土地を上記施設の敷地としての利用に供していることが憲法上の政教分離原則及び憲法20条、89条に違反しないとされた事例
- 裁判要旨
市長が市の管理する都市公園内に孔子等を祀る施設を設置することを一般社団法人に許可し、これに基づき市が上記公園内の土地を上記施設の敷地としての利用に供していることは、次の⑴~⑹など判示の事情の下では、憲法上の政教分離原則及び憲法20条、89条に違反しない。
⑴ 上記施設は、中国から琉球に渡来し琉球王国の繁栄を支えた人々が17世紀以降に建立した孔子等を祀る施設を、そのゆかりの地に再建したものであり、市の公式ガイドマップに掲載され、観光客が訪れている。
⑵ 上記法人は、上記施設等の公開や上記施設における孔子の霊を迎えるなどする行事の挙行のほか、上記人々の歴史研究や論語を中心とする東洋文化の普及等を目的ないし事業とする一般社団法人である。
⑶ 上記施設は、公園施設として管理され、一般公衆の利用に供されている。
⑷ 市は、上記許可に先立ち、上記施設は、体験学習施設(都市公園法施行令5条5項1号)ないし歴史上又は学術上価値の高いもの(同項2号)として、公園施設と位置付けることができると整理した。
⑸ 上記許可は、上記法人に、年間576万7200円の公園使用料の納付義務を生じさせるものである。
⑹ 上記許可と併せてされた公園使用料の免除処分は、その後取り消され、上記法人により公園使用料が順次納付されている。
- 参照法条
憲法20条、憲法89条
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