裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
平成9(ネ)4599
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成12年9月14日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第4民事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第53巻2号124頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 左舷側外板亀裂による浸水沈没事故が生じた船舶について発航の当時公的検査に合格し船体外板が船級協会の規則を満たす板厚を有していたとしても国際海上物品運送法五条一項一号の堪航能力保持につき注意義務が尽くされたとは認められないとされた事例
二 運送契約により運送品である丸太を陸揚港の岸壁に陸揚げして引き渡すことが約定されている場合における船舶の沈没事故により海没した丸太の引揚げ費用と商法五八〇条二項の適用
- 裁判要旨
一 丸太を運搬して航海中の船舶について左舷側外板亀裂による浸水沈没事故が生じた場合において、右船舶が錆が生じ腐食しやすい丸太運搬船で、外板に溝状腐食が生じやすいものであって、事故の一か月前に右舷側外板に亀裂浸水事故を惹起していたなど判示の事実関係の下においては、右船舶が公的検査に合格しており、発航の当時、亀裂を生じた部分の船体外板が船級協会の規則の定める最大衰耗率の範囲内の衰耗しか認められなかったとしても、国際海上物品運送法五条一項一号の堪航能力の保持につき注意が尽くされたとは認められない。
二 運送契約により運送品である丸太を陸揚港の岸壁に陸揚げして引き渡すことが約定されている場合における丸太の引渡し前に発生した船舶の浸水沈没事故により海中に没した丸太を右岸壁に引き揚げる費用については、商法五八〇条二項の適用はない。
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