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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成9(う)252

事件名

 業務上過失致死被告事件

裁判年月日

 平成10年4月27日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第五刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第51巻1号78頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 トンネル掘削工事を発注しその坑口に仮締切を設置管理していた県が負うべき安全配慮義務に基づき県の現場事務所職員はトンネル内の作業員らを緊急退避させる義務を負うとされた事例

裁判要旨

 トンネル掘削工事の発注者である県が、周辺河川からの溢水がトンネル内へ流れ込むのを防止する目的でトンネル坑口に締切状の構造物である仮締切を自ら設置して管理支配していた場合においては、県に工事施工上の安全の確保に配慮すべき義務があり、具体的状況として仮締切の決壊の危険があったときには、実際に仮締切の設置及び管理支配を担当していた県の現場事務所職員は、その決壊による大量の水の流入による溺死等の危険から免れさせるため、トンネル内の作業員らを緊急退避させる措置をとるべき義務を負う。

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