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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成5(ネ)612

事件名

 強制保険金支払請求事件

裁判年月日

 平成6年3月31日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第七民事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第47巻1号107頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一 自動車のいわゆる運転代行業者及び当該業者との契約に基づき運転を代行する者が自動車損害賠償保障法二条三項にいう「保有者」に当たるとされた事例
二 自動車のいわゆる運転代行業者との契約に基づき運転を代行していた者がその運転中に惹起した事故につき当該自動車の運転の代行を業者に依頼してこれに同乗していた保有者が自動車損害賠償保障法三条にいう「他人」に当たるとされた事例

裁判要旨

 一 いわゆる運転代行業者及び当該業者との契約に基づき運転を代行する者は、自動車の保有者からその運転の代行を請け負い、当該自動車の運転を全面的に委ねられ、その運転に当たっていた等判示の事実関係の下では、自動車損害賠償保障法二条三項にいう「保有者」に当たる。
二 自動車の保有者が飲酒し酔っていたためその運転の代行をいわゆる運転代行業者及び当該業者との契約に基づき運転を代行する者に依頼し、これに同乗していたところ、運転を代行していた者がその運転中に事故を惹起した場合において、保有者は代行者に自動車の運転を全面的に委ね、他方、運転代行業者及び代行者は当該自動車に起因する危険についての管理を全面的に引き受け、しかも、保有者の運転代行の依頼行為が自動車の運転に起因する危険の防止という観点から見て社会的に相当なものである等判示の事実関係の下では、保有者は、右運転代行業者及び代行者との関係においては、自動車損害賠償保障法三条にいう「他人」に当たる。

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