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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成4(ネ)391

事件名

 建物収去土地明渡請求事件

裁判年月日

 平成4年11月16日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第一二民事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第45巻3号199頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一 民法二六六条により準用される同法二七六条の規定の強行規定性
二 地上権の消滅請求につき民法二六六条により準用される同法二七六条所定の期間を短縮する約定のある場合における事前の催告を不要とする特約の効力
三 地代の支払を三か月分以上怠った場合には催告なしで地上権の消滅請求ができる旨を定めた特約に基づく地上権消滅請求が効力を生じないとされた事例

裁判要旨

 一 民法二六六条により準用される同法二七六条の規定は強行規定ではない。
二 地上権の消滅請求につき民法二六六条により準用される同法二七六条所定の期間を短縮する約定のある場合に事前の催告を不要とする特約は、地代不払の程度、態様等からみて催告なしで消滅請求することがあながち不合理とは認められない事情が存在する場合には催告なしで消滅請求することができる旨を定めた約定として有効である。
三 地代の支払を三か月分以上怠った場合には催告なしで地上権の消滅請求ができる旨を定めた特約に基づく地上権消滅請求は、地代不払の額が一一万円余であり、その期間も三か月であって、不払に至った事情も、裁判上の和解で決められた地代の支払開始時期を誤解したことによるものであるなど判示の事実関係のもとにおいては、催告なしで消滅請求することがあながち不合理とは認められない事情が存在するとはいえず、その効力を生じない。

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