平成1(ネ)358

 建物明渡請求事件

 平成2年5月14日

 東京高等裁判所 　第五民事部

 第43巻2号82頁

 非居住用建物の賃貸借の更新拒絶が立退料の提供により正当事由を具備するとされた事例

 非居住用建物の賃貸借において、賃借人の当該建物を必要とする度合いが賃貸人のそれよりも大であっても、建物がかなり老朽化し、周辺地域が中高層化する傾向にあり、賃貸借が既に約一五年間継続して賃借人がこれにより大きな営業的収入を挙げているなど判示のような事情の下では、立退料二億八〇〇〇万円の提供を補完事由として賃貸借の更新を拒絶する正当事由が具備するものというべきである。

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