裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和61(行コ)51
- 事件名
公金支出差止等請求事件
- 裁判年月日
平成2年1月29日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第一民事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第43巻1号1頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 教育の事業と憲法八九条後段にいう「公の支配」
二 私人による幼児教室の事業が憲法八九条後段にいう「公の支配」に属する教育事業に当たるとされた事例
- 裁判要旨
一 教育の事業が憲法八九条後段の「公の支配」に属しているというためには、国又は地方公共団体等の公の権力が事業の運営、存立に影響を及ぼすことにより、事業が公の利益に沿わない場合にはこれを是正しうる途が確保され、公の財産が濫費されることを防止しうることをもって足り、必ずしもも事業の人事、予算等に公権力が直接関与することを要するものではない。
二 幼児教室の事業が町から土地建物等の無償使用を認められ、かつ、補助金の交付を受けて運営されている場合において、補助金の交付に伴う一般的規制のほか、個別的指導により、事業の用に供される公の財産の利用、支出が公の利益に沿って行われるよう規制、管理がされているなど判示のような事情があるときは、その人事、予算等について町が直接関与しなくても、右事業は憲法八九条後段にいう「公の支配」に属する教育事業に当たる。
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