裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和60(う)681
- 事件名
殺人被告事件
- 裁判年月日
昭和61年10月29日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第一一刑事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第39巻4号431頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
一 破棄判決の拘束力を有する判断の範囲
二 破棄判決の拘束力に関する解釈を誤つた訴訟手続の法令違反が判決に影響を及ぼすことが明らかとはいえないとされた事例
- 裁判要旨
一 破棄判決の破棄の理由とされた事実上の判断の拘束力は、破棄の直接の理由、すなわち原判決に対する消極的否定的判断についてのみ生ずるものであり、右判断を裏付ける積極的肯定的事由についての判断は、なんら拘束力を有するものではない。
二 原判決に、第一次控訴審判決の破棄理由中の積極的肯定的な事実判断に拘束力があるとした訴訟手続の法令違反があつても、原裁判所が第一次控訴審の手続を含めて従来の公判手続を更新し、自ら取り調べた証拠に基づいて独自に心証を形成したうえ、罪となるべき事実を認定判示し、その事実認定が支持するに足りるものであるときには、右訴訟手続の法令違反は判決に影響を及ぼすことが明らかであるとはいえない。
- 全文