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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和50(ま)8

事件名

 刑事補償請求事件

裁判年月日

 昭和50年5月14日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第五刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第28巻3号245頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 刑事補償法三条一号にいわゆる捜査又は審判を誤らせる目的で虚偽の自白をしたものに当たらないとされた事例

裁判要旨

 請求人が、逮捕勾留された後、警察官において請求人の犯行を目撃したという者の供述を信用して請求人の弁解を聞き入れず、当時胃がんに罹り胃全部の摘出手術を受け退院して間のない妻のことが心配である等の事情があるうえ、自己の無実を立証するにも、周りの人の協力を仰がなければならず、それらのことをするには釈放してもらうことが必要であり、いつまでも否認していては保釈を許されないと考え、心ならずも警察官の誘導するままに身に覚えのない自白をしたという場合、右虚偽の自白は、刑事補償法三条一号にいわゆる「捜査又は審判を誤まらせる目的」でなされたものということはできない。

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