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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和40(う)1479

事件名

 名誉毀損被告事件

裁判年月日

 昭和46年2月20日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第三刑事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第24巻1号97頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一、 犯罪にあたる事実を摘示して人の名誉を毀損した場合における真実の証明の程度
二、 弁護人が訴訟手続の場以外の場において被告人の利益擁護のため他人の名誉を毀損する行為と違法性の阻却

裁判要旨

 一、 犯罪にあたる事実を摘示して人の名誉を毀損した場合における真実の証明は、摘示された事実が真実であることの心証を合理的な疑いを容れない程度に得させるに足りるものでなければならず、いわゆる証拠の優越の程度またはそれより低い程度のものでは足りないと解すべきである。
二、 弁護人が訴訟手続の場以外の場において他人の名誉を毀損する行為は、たとえ被告人の利益擁護のため新証拠の収集につき一般社会の協力を得るのに必要であるというような理由があつたとしても、正当行為としてその違法性が阻却されるとはいえない。

全文