裁判例結果詳細
高等裁判所 判例集
- 事件番号
昭和44(う)282
- 事件名
強盗致死、私文書偽造、同行使、詐欺被告事件
- 裁判年月日
昭和45年4月16日
- 裁判所名・部
東京高等裁判所 第一二刑事部
- 結果
- 高裁判例集登載巻・号・頁
第23巻1号239頁
- 原審裁判所名
- 原審事件番号
- 判示事項
強盗致死罪において暴行と死亡との間に相当因果関係が認められないとされた事例
- 裁判要旨
被告人が、金員を要求し、これに驚いて大声をあげる被害者に対し、その口を右手掌で塞ぎ、被害者が後方に倒れるや、上から両手で頸部や口を押さえつけ、夏掛ぶとんを顔にかぶせて、その上から口附近を押えつけたりしたところ、その暴行は、通常それ自体では死の結果を来たすほど強度のものではなかつたが、六三才の被害者は極めて軽微な外因によつて急性心臓死を起す重篤な心臓疾患があつたため死の結果を来たしたものであつて、当時、かかりつけの医師はもとより被告人も、被害者の右心臓疾患を知らなかつたという事情がある場合には、被告人の右暴行と被害者の死亡との間に相当因果関係は存在しない。
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