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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和43(ネ)971

事件名

 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日

 昭和44年11月25日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第一四民事部

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第22巻6号775頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 一、 信用組合の従業員が当該組合理事個人の所有にかかる自動車を私用のため無断運転中人身事故を起した場合右理事が自動車損害賠償保障法第三条にいう運行供用者に当るとされた事例
二、 付添看護を必要とする身体傷害を受けた被害者の近親者が無償で付添い看護した場合被害者がこれを損害として付添看護料相当額の賠償請求をすることの当否

裁判要旨

 一、 信用組合の理事がその個人所有にかかる自動車を修理に出すよう部下の営業部長に依頼して、鍵とともにこれを託した後一ケ月余にわたる出張不在中、信用組合の従業員が営業部長から指示されたわけでもないのに、修理工場から修理の終つた自動車を鍵とともに受領し、これを組合事務所まで持帰る間を利用し、無断で祭見物のためこれを運転した際人身事故を起した場合、右従業員が日頃組合業務のため自動車を運転することが多いなどの事情から、右従業員が修理工場から修理自動車を宰領することを右理事が予想していた等判示事実関係のもとにおいては、右理事は右の事故につき自動車損害賠償保障法第三条にいう運行供用者として責任を負うべきである。
二、 交通事故により付添看護を必要とする身体傷害を受けた被害者の近親者が無償で付添看護した場合でも、特段の事情がない限り、被害者は職業付添人の付添看護料相当額を損害賠償として、請求しうるものと解べきである。

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